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未題

短編より短い短編小説

ある日のLINE

 「おねえちゃん、いまなにしてるの。」

 午後1時ごろ、LINEの着信音が鳴った。滅多に鳴らないそれを確認すると妹からだった。

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掃きだめの心労

 「おもえば25年前から悲劇ははじまっていたのよ。」

 彼女は項垂れると手にした缶ビールをやや乱暴にぐいと傾けた。すでにテーブルの下には3本の空き缶が整列している。それらを眺め、ひとまず彼女のはなしに耳を傾けることにした。

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特異さがし

 「おめでとう!君は7000人のなかの300人に選ばれました。もちろん承諾するよね?」
 「ありがたいはなしですが、お断りします。」

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能面の沈痛

 差し出されたケーキボックスに珍しく母の表情が綻んだ。ちょうどいま甘いものをコンビニにでも買いにいこうかとおもっていたところなの。ねえ、と言われ、わたしは頷く。

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強行突破

 息がはあはあとあがる。走っているせいじゃない。想像してあがっている。わたしは足をとめず走りつづけ、帰宅すると早々にシャワーを浴びた。
 腰を丸め、口元を手でおさえる。発作は加速した。はっ、はっ、まるで犬みたいに息を荒立て、泣きわめきくのをぐっと堪える。

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