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未題

短編より短い短編小説

拒絶反応

 起き抜けに襖を開けると母がホットプレートでたこやきを焼いていた。きのうからの胃もたれに目眩がする、すると、母は嬉々として「たべるでしょう」ときいてきた。わたしはうん、おいしそうと答えた。

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長靴ダッシュ

 寝間着のごとくよれた黒のスウェットパンツに、ミズノのウィンドブレーカーを重ね履きした。うえはヒートテック、Tシャツさらにパーカーを羽織り、チェックのコートまで着こむ。準備万端、とおもい時計をみると予定より20分もはやく支度を済ませてしまったようだ。

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“ひと”

 ほんとうは父が先立ったら犬を飼おうとおもっていたの、けれど、犬は餌代もかかるし、保険にもはいらなくってはいけないし、お散歩もしなくっちゃいけない。ところかまわずおしっこしたり、はじめのうちはしつけだってたいへんかもしれない。

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沈黙の限度

 壊れたカセットプレイヤーが突然奇怪な音をからからまわすみたいにしゃべりはじめた。

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やりたい=やりたくない≠やらない

 進路はどうするの、問われてびくりとした。おんなじ台詞でも3年前ならきっとそうじゃない。堪えきれない笑みを浮かべえへへと照れながら、○○大学です、なんて控えめに言っていたに違いない。

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